「過労死ラインの基準見直し 検討会設置へ」といった内容の報道が、複数ありました。
これは、令和元年(2019年)11月1日の閣議後の会見における厚生労働大臣をコメントを取り上げたものです。
具体的には、次のような質疑応答が行われています。
●記者
先日議員連盟の総会で過労死の認定基準の見直しの検討をすることが明らかになったのですけれども、今後の検討の予定とポイントとなる認定基準の内容がどのあたりなのかというのを教えてください。
●大臣
今労災認定基準には脳、心臓疾患と精神障害の労災認定基準、これが二つあります。まず脳・心臓疾患の労災認定基準については、昨年度と本年度に医学的知見を収集をさせていただいております。それを踏まえて、令和2年度、来年度に有識者の検討会を設置して、労災認定基準これは全般にわたってご議論をいただきたいと、もう既に平成13年に作成をされておりますからもう15年、20年たっているということであります。
それから精神障害の労災認定基準については、これは2つあります。1つはパワハラについて法制化され定義が明確化されて、指針等が今議論されているわけでありますけれども、本年中に有識者検討会議を設置して、検討を行う、これはパワハラから生ずる精神的な障害に対してであります。さらに全般については、来年に医学的知見等を収集し、それを踏まえて有識者検討会議を開いて検討を行うということにさせていただいているところであります。検討の期間はまだ見極められませんが、前回の検討においてはおおむね1年間ぐらいの議論をしていただいて答えを出していただいたということでございます。そんなことも踏まえながら対応していかなければいけないと思っております。
脳、心臓疾患と精神障害の労災認定基準については令和2年度から、精神障害の労災認定基準については令和3年度から、見直しに着手するということです。
たとえば、脳、心臓疾患と精神障害の労災認定基準では、いわゆる「過労死ライン」を定めており、残業時間については「直近1カ月で100時間超え」又は「2~6カ月間平均で月80時間超え」を基準としています。
これを見直すとなると、時間外労働の上限規制にも、影響がありそうですね。動向に注目です。
厚生労働大臣の会見について、詳しくは、こちらをご覧ください。
<厚生労働大臣会見概要 (令和元年11月1日)>
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00165.html